今回は、春に必要な野菜苗を、種から室内でつくってしまおうということで、LEDライト付きの育苗棚をつくったお話です。
ちょっとお金はかかりますが、私のようにマンションで、植物栽培に不向きな方角に住んでいる場合や、真っ暗なお部屋でも苗づくりができるようになりましたので、同じ悩みをお持ちの方のご参考になれば幸いです。
- 真西で風の強いベランダでの野菜づくりは、難しいことを実感。
- 基本材料は、ニトリの三段シェルフと観賞魚用のLEDライト。
- ライトは水草栽培に向く、コトブキ工芸の観賞魚用LEDライトを選定
- コンセントタイマーで自動点灯&消灯!点灯時間は12時間で設定。
- 材料代は合計で約15000円。ランニングコストは一段1ヶ月50円程度か?
- 意外にも高い生産性。春先の果菜苗や夏の苗づくりも簡単になった。
- ナスやピーマン、トマトなどの果菜苗づくりが簡単に可能になった!
- キャベツやブロッコリー、白菜など難しい夏の苗づくりも可能に!
- なんでもトレイに種をまいて畑に植えるスタイルで、野菜の栽培自体が簡単に。
- 苗づくりがお休みの間は、レタスやベビーリーフの栽培にもいけそう。
- 大事なのはLEDライト選び!簡易的であれば一段3000円程度でもつくれる。
真西で風の強いベランダでの野菜づくりは、難しいことを実感。
私はマンションに住んでいるのですが、真西向きで13階。
入居当初、ベランダで家庭菜園や野菜苗づくりに取り組んだものの、午後は日があたるのに、徒長気味でしっかり育たない・・・。
中玉トマトをつくっても、ミニトマト以下のサイズになってしまうのです・・・。
なぜかと思って調べてみたら、植物の光合成は、午前中からお昼に活発に行われるそうなので、その時間に日があたる、東から南が植物を育てるのに適しているということ。
さらに、高さのある階層で風がよく吹くため、葉肉のうすい植物は、すぐしおれてダメになってしまうこともわかりました。
思っていた以上に、西向きでそこそこ高さがあるベランダの植物栽培は難しい(>_<)
これがきっかけで畑を借りたのですが、いろいろ試行錯誤して、失敗を減らして効率の良い栽培をするためには、年間を通じて苗がつくれる環境が必要になってきました。
ならば部屋の中に、育苗できる環境をつくってしまおうっ!
ということで、部屋の中に光も確保できる、LEDライト付きの育苗棚をつくりました。
つくるのは既製品を組み合わせるだけで超簡単!お金だけちょっとかかります。
基本材料は、ニトリの三段シェルフと観賞魚用のLEDライト。
今回用意した材料はこちらです。
- ニトリ 三段シェルフ ✕1
- ニトリ 収納ボックス浅型 ✕3
- ニトリ 収納ボックス用レール ✕3
- コトブキ工芸 フラットLED300 ✕3
- 24時間コンセントタイマー ✕1
- 電源タップ(三ツ口) ✕1
棚はニトリの三段シェルフをベースにした。
育苗システムのベースは、ニトリの三段シェルフを使っています。
お値段が3000円程度でリーズナブルな上、デザインが部屋にもなじむこと。
別売の収納ボックスやレールも販売されているので、簡単にカスタマイズできます。
* 三段シェルフが廃番になっており、シェルフアドバンス43 を代品として使うことができます。スチール製フレームと化粧板にグレードアップした三段シェルフで、木製でなくなったため、万が一ライトから発火するような事態があった場合も、燃えにくくて安心です。
ライトは水草栽培に向く、コトブキ工芸の観賞魚用LEDライトを選定
次に、システムの肝とも言える、LEDライト選びです。
当初、植物育成ライトを考えましたが、値段が高い上、電気代がかかりそうで、ちょっとお試しでやるにはハードルが高め。
そこで、アマゾンで売っていた安い植物育成ライトも試したのですが、成長が今一つだった上、熱を持ちやすく、安全面からもちょっと心配でした。
結果、電気代や安全性を踏まえ、観賞魚用のLEDライトを選ぶことにしました。
中でも、寿工芸のフラットLEDは水草の生育が良く、コスパも良いとのクチコミ。
そこで、フラットLED300というものを選びました。
スペックはこんな感じです。
- 大きさ: 幅318㎜×奥行70㎜×高さ29㎜
- 明るさ: 385ルーメン
- 色温度: 8500K
- 演色性: Ra87
- 定格消費電力: 5W
光は自然光に近く、水草の光合成を促す設計もされているようです。
また、ライトの両端にリフトアップがついているので、これをレールや棚に引っ掛けて簡単に設置できるのもポイントです。
* フラットLED300は廃盤になり、現行品が フラットLED HL3024 になります。
コンセントタイマーで自動点灯&消灯!点灯時間は12時間で設定。
あとは、24時間コンセントタイマーとライトをつなぐ電源タップです。
コンセントに組み込むことで、自動点灯と消灯を繰り返すことができます。
タイマーはだいたい1000円前後で手に入ります。
ライトの点灯時間は、とりあえず朝6時~18時の12時間で試しています。
材料代は合計で約15000円。ランニングコストは一段1ヶ月50円程度か?
合計で15000円程度かかりました。やはりLEDライトが材料費の大部分をしめ、3本で約10000円かかってしまいました。
そのかわり育苗できる数は、一段あたり、普段使っている36穴トレイで24穴分、3段あるので、最大72穴分もの苗を室内で育てることができます。
家庭菜園で必要とする苗を確保するのは、まず十分かと思います。
電気代は、1日12時間つけて一段あたり1ヶ月あたり47円程度が目安で、コスパも手頃かと思います。
育苗するにあたり、ポイントになるのが、光と植物の距離の確保の仕方です。
10㎝程度の距離がよい感じで、これ以上離れるとやや徒長気味になる印象。
引き出しにつかっている、ニトリの収納ボックス浅型は、この10㎝の距離をとるのにちょうどよい深さの上、色が白色なので光を反射しやすく、より効率が良い感じです。
苗が大きくなってくると、光との距離が近くなってしまうため、写真のように収納ボックスをレールからはずして、一段下の棚板におくなどすることで、高さの調整もできるようにしました。
意外にも高い生産性。春先の果菜苗や夏の苗づくりも簡単になった。
お金はかかったものの、苗づくりが室内でできることで、簡単になりました!実際に育苗を比べてみたのがこちら。
▼(導入前) 西日の自然光だけで管理すると、光量不足で徒長するのが当たり前。
▼(導入後) これだけの立派な双葉が展開するようになりました!
ナスやピーマン、トマトなどの果菜苗づくりが簡単に可能になった!
室内で苗をつくれるようになったので、まず寒さの心配がなくなりました。
2~3月、ナスやピーマン、トマトなどの果菜類は 床暖房を使って発芽させた後、育苗棚で光を当てながら、苗づくりをします。
2か月以上、寒い時期の育苗期間が必要になりますが、室内なのでこれが簡単に可能になりました。
買えば1株100円~200円かかる夏野菜の苗がつくれるので、大きなコストダウン!
何より種からお気に入りの品種を選んでつくれるのは大きいです。
キャベツやブロッコリー、白菜など難しい夏の苗づくりも可能に!
こちらは夏まきのキャベツやブロッコリー、手前で人参も育苗しています。
夏は高温乾燥、豪雨など気象変動が激しく、外や畑で発芽させるのが難しいです。
室内の育苗棚なら、乾燥もしにくく気温もマイルドなので、夏でも簡単にできます。
しかも、夏場でも水やりは1~2日に一度でも間に合います。
なんでもトレイに種をまいて畑に植えるスタイルで、野菜の栽培自体が簡単に。
LEDライト付き育苗棚、調子がよくて、かなり活用しています。
以来、なんでも育苗棚でトレイに種をまいて発芽させ、2週間程度大きくした後、畑に植える今の栽培スタイルが基本になりました!
これがもっとも失敗が少なく、野菜づくりがとても簡単になった印象です。
▼ トレイに種をまいて育苗し、畑に植えつけています。
苗づくりがお休みの間は、レタスやベビーリーフの栽培にもいけそう。
苗づくりをするにあたって、改めて育苗棚のスペックを簡単に調べてみたところ、光も植物を育てるにあたり、必要量を確保できていることも確認できました。
▼ LEDライトの実際のスペックをザックリ調査!
実際、リーフレタスを栽培してみたところ、順調で栽培用にも十分使えそうです。
今後はこれをベースに、苗づくりが休みになる冬場などは、小さな植物工場として転用できるか考えてみようと思います。
▼ LED育苗棚を使って野菜をテスト栽培してみました。
▼ トマト栽培にもチャレンジ!
大事なのはLEDライト選び!簡易的であれば一段3000円程度でもつくれる。
今回は使い勝手と苗の量産用に、育苗棚は三段シェルフで引き出し式にしました。
LEDライトは1本3000~5000円程度しますが、簡易的で良ければ、例えば100円ショップで、ブックスタンドを二本買ってきて足がわりにし、その上に今回ご紹介したLEDライトをのせるだけでもつくれます。
あとは下にA4ケースを用意して、種まきしたポットやプランターをおくだけで完成。
とにかく大事なのはLEDライト選び、植物生育に適した光の確保です!青と赤の光源が含まれた、観賞魚の水草用として使えるものがオススメです。
経験談としては、2000円程度で得体のしれない植物LEDライトを買って失敗するより、まずは3000円でも観賞魚用の水草に向く、国内メーカーのLEDライトを選ぶことをオススメします!
ちなみに、コトブキ工芸のLEDライトは、光束550lmのHL3042 の他、光束380lmのSS3042 というタイプもあります。
こちらは光が弱くなるので、生育の勢いもやや弱くなりますが、価格は1000円程安く入手できるので、お試しや全体のコストダウンを図るのにオススメです。
実際、我が家でも、左の棚はHL3042、右の棚はSS3042と旧LED300という具合に、二種類のライトを入れています。
果菜苗など光が必要な野菜は、光の強いHLの棚で、生育初期や葉物はSSの棚でという具合に使い分けています。
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自画自賛になってしまいますが、LEDライト付き育苗棚、オススメです。
光はLEDライトで確保するため、日当たりを気にする必要は全くありません。
実際、ウチでは、カーテンは閉め切っている真っ暗な部屋で使っています。
室内なので年間を通じて安定した育苗環境も確保できます。水やり回数も2~3日に1回で間に合うし、虫に食われたり、台風の心配もないです。
トマト、ナス、ピーマンなど買うと高い果菜苗がつくれるし、白菜やキャベツなどの難しい夏の苗づくりが、室内で安定してできるので、必要な苗の本数を確保できるようになりました。
リーフレタスやベビーリーフもつくれるので、室内で野菜をつくってみようかな?という方にもご参考になれば幸いです。
注意点としては、土や水を使う環境なので、マンションなら換気口がついた部屋など、湿気がこもったり、空気が淀みにくいコンディションだけ整えておいた方が良いと思います。
今回ご紹介したものはコレ!
\育苗棚のベースはニトリでコーディネイト♪/
ニトリ シェフルアドバンス43 ×1
収納ボックス浅型、収納ボックス用レール ×3