
家庭菜園でやってみたいのが、夏野菜の定番・トウモロコシです。
近年は、スーパースイートコーン(甘味種)と呼ばれる種類が主流になっていて、家庭菜園でも気軽に甘いトウモロコシがつくれます!
ウチでは、子供が好きなトウモロコシご飯が定番のほか、粒をとって冷凍しておいて、かき揚げなどの料理に使ったり、ジャーマンポテトに加えてお弁当に入れたりと、手軽に使える野菜としても重宝しています。
そのままレンチンするだけで、簡単に食べられるのも良いです。
ただ、実際に栽培してみてわかったのが、他の野菜のように、防虫ネットトンネルと週1回液肥で、後はほったらかしという訳には意外といかず、特にカラスやハクビシンなど獣害でいきなり収穫直前で全滅させられる野菜です(>_<)
極力ほったらかしでいきたいのですが、確実に収穫するために、仕方なくひと手間かけてます。
失敗から学んだおさえるべきポイントをまとめました。反省と備忘録がわりにまとめましたので、ご参考になれば幸いです。
- いつまいていつ収穫できるか?我が家の畑のデータ
- トウモロコシの品種例と栽培記録
- 失敗しながら気づきました(^^;) トウモロコシの栽培ポイントはココ!
- トウモロコシは収穫したら早く食べるか、粒をとって冷凍しておくと便利!
いつまいていつ収穫できるか?我が家の畑のデータ

近年実際に栽培した、種まきと収穫時期のデータです。関東平坦地。
最初が種まき日、最後が収穫日になります。品種はほぼ「おおもの」(^^;)
私の場合、全てトレイに種まきして自宅で育苗し、2週間後に畑に植え付けをおこなっています。
データによれば、春まきは収穫まで3か月、夏まきは2ヶ月半といったところです。
赤帯の8月収穫の作型は、高温が原因なのか、受粉不良で歯抜けのトウモロコシが多く、結果が今一つでした。
また、7~8月に種まきする抑制栽培と呼ばれる作型も取り入れています。
春まき夏収穫に比べて、100g程度小ぶりな印象ですが、十分収穫することができます。一部の品種に限られる(晩生種ならいける?)のと、台風の心配があるのがネック。
トウモロコシの品種例と栽培記録
色味は、黄色のもの、白粒の混ざるバイカラー種、その他、白や赤、紫、中にはグラスジェムコーンのような、カラフルなものもあります。
また、味わいは、スーパースイート種(甘味種)と呼ばれる種類が今の定番、昔ながらの味わいのもちとうもろこし、ポップコーン向けの爆裂種などがあります。
ゴールドラッシュ(サカタのタネ)
テレビでも度々紹介される、スイートコーンの定番種です。
シリーズ化されていて、早生の83日タイプから晩生の90日タイプまであります。
花粉もしっかり出て、甘みもあって、つくりやすい印象です。
▼ 「ゴールドラッシュ」の栽培記録
おおもの(ナント種苗)
長年、私の畑で定番でつくっています。
400g越えの大きな穂もとれる上、甘みも強くてとても美味しいオススメの品種です。
通常の春まきのほか、夏まき秋どり(抑制栽培)も使えるので、種をワンシーズンで使い切りやすいのもポイント。
▼ 「おおもの」の栽培記録(3列初期型)
味来390(サナテックシード)
極甘のトウモロコシとして有名な品種です。
とにかく甘い品種をつくってみたいならコレ。
大和ルージュ(大和農園)
珍しい赤いスイートコーン。
適度な甘みと、もっちりめの食感が面白い品種でした。
近くに黄色い品種などが植わっていると、色が混ざる可能性があるので要注意。
そこで、近所の人がトウモロコシをつくっていない、栽培していない秋どり(抑制栽培)でつくりました。
▼ 「大和ルージュ」の栽培記録
まるポップ(サカタのタネ)
ポップコーン用の品種で、高級ポップコーンでよくみかける、あの丸みをおびたフォルム(マッシュルームタイプ)がつくれます。
もちもち太郎バイカラー(大和農園)
昔のもちもちした味わいが楽しめるトウモロコシ。
攻めた色合いは、大和農園流といった印象です。この他、パープルもあります。
失敗しながら気づきました(^^;) トウモロコシの栽培ポイントはココ!
ウチでは週1回の畑管理が基本になります。
株間30㎝×畝間30㎝で2列の密植気味で、1区画10株を基本につくっています。
5mの防虫ネットを使って防獣囲いをつくる際、囲める長さが10株分のためです。
当初は欲張って3列突っ込みましたが、真ん中の列が生育不良になるのでやめました。
栽培の基本は、タキイ種苗のマニュアルが図解付きでわかりやすく、オススメです!
いろんな野菜作りでお世話になっています <m(__)m>
▼ スイートコーンの栽培マニュアル(タキイ種苗)
ここでは実際に栽培してみて、注意した方が良い点とやっておいて良かったことを備忘録として、まとめておきます。
1.発芽温度に要注意。必要な温度は25~30℃とやや高め。

まず、気をつけるべきことが、トウモロコシの発芽に必要な温度。
夏野菜全般がそうなのですが、発芽には、25~30℃と高めの温度が必要なため、春先は室内でも床暖房利用など必ず加温する工夫が必要です。一方夏は半日陰で35℃以上の高温になりすぎない場所で管理し、1週間以内の発芽を目指します。
温度が低いとこれ以上日数がかかる上、腐るリスクが高まります。
また種まきで使う土は、水はけよく配合された、専用培土を使うのが理想です。水切れさえ注意すれば、土がふかふかなので、スムーズな発芽が期待できます。
私は育苗の際、よく畑の土を使うのですが、トウモロコシやエダマメのような大きな種の場合、水はけが悪くて腐りやすく、よく失敗するので使うのをやめました。
以来、大きい種の時だけ、14L200円程度で売っている安い培養土を使います。これだけでも発芽が全然違います。
▼ 夏野菜は床暖房とLEDライトで育苗しています。
2. 元肥はしっかり入れて、追肥もしっかり2回おこなう。

私の畑では、春と秋、収穫後に畑を更新するタイミングで、まず元肥で醗酵豚ぷんを説明書きの規定量入れます。30㎡あたり15㎏1袋が目安。
その後、週1回、多木有機液肥3号 をジョーロで水やりするのが野菜栽培の基本スタイルです。
元肥+液肥でもできるのですが、草の伸びが今一つで、実が小さかったため、最近は、草丈30㎝程度の時と雄花が出るタイミングの計2回、株元に土寄せしながら鶏糞を追肥するようにしています。
このおかげで、大きな実が収穫できるようになりました。
また、畑では 国華園の穴あき防草マルチ を使っています。従来のポリマルチと違って厚手なので、写真のように一部めくって追肥したり、はがしたりするのが簡単な上、数年繰り返し使えるので超オススメ!
3.消毒は雄花と雌花がそれぞれ出かかったタイミングで計2回おこなう。

注意すべき害虫被害が、穂に入って食いつぶす厄介なアワノメイガの幼虫。
雄花と雌花、それぞれが出かかったタイミングで計2回、花まわりを中心にしっかり消毒しています。これだけで、被害が激減しました。
私は、畑でいろんな野菜に使える、トレボン乳剤 を使っています。
農薬はこの他、トウモロコシにしか使えませんが、デナポン粒剤5 という雄花と雌花部分にサッとふりかけて簡単に使えるものもあります。
* 農薬は、栽培時点で登録のあるものを使用しています。あくまで参考として、使用する際は、ご自身で今一度ご確認ください。
4.雌花を確認してから収穫までは約3週間。雌花を確認した翌週に防獣囲いを設置。

トウモロコシの一番がっかりする被害が動物の食害です。
私もこれまで何度かハクビシンやカラスによる全滅を経験しています。
以来、トウモロコシの区画のみ、防虫ネットと支柱を使って、囲いを作るようにしています。これまで実にネットをかぶせるだけの省力的な方法も試しましたが、受粉不良があったり、結局強襲されたりしたので、この全体防御という方法に落ち着いています。
トウモロコシは、雌花(実ができる方)を確認してから2週間は受粉して実が膨らむ期間で、3週間後に収穫できるイメージです。
不思議なもので、獣害は収穫直前の2~3週間目の間で幾度となくやられました。
私が作る囲いは狭いので、早くつくってしまうと受粉の妨げになる一方、遅いと食べられて全滅します。
そこで、雌花を確認した翌週に設置すると、受粉が終わって穂が肥大しつつあるタイミングになるため、ちょうど良さそうです。
その際は、囲いの下は隙間なくふさぐのはもちろんですが、囲いの上からでもカラスによる空襲があるので、ネットをかぶせたり、ひもを張るなどの工夫が必要です。
▼ カラスに全滅させられた時の被害の様子
5.3週間おきに種まきすると、畑での管理がしやすい。
トウモロコシを連続して栽培する場合、3週間おきに種まきすると畑の管理がしやすかったです。
2回の追肥タイミングが同時に行いやすかったり、防獣囲いを、先の畑で収穫を終えてすぐ次の畑に移動して設置するタイミングにはまるので、資材の必要量、作業量を減らすことができました。
受粉時期もギリギリですが、上手くズレるので、もし色違いなどの品種を同じ畑で植えるのなら、最低3週間はあけた方が良いと思われます。
6.春まきは5月中旬→7月、夏まきは8月中旬→10月が限界か?
住んでいるのは、東京郊外・関東平坦地のエリアなのですが、栽培してわかったのが、トウモロコシは、真夏はうまくできないということ。
今年2024年の夏も猛暑でしたが、5/19まき→8/3収穫では、太りが今一つだった上に歯抜けも多く、正直仕上がりがイマイチでした。8月は暑すぎて、オクラ以外ほぼ野菜が動かなくなります・・・。もう野菜つくる時期じゃないのかも。
プロの方は、上手につくられるのかと思いますが、素人レベルで効率よくいくなら、春まきは5月中旬→7月いっぱいの収穫でやめた方が良さそうです。(暑くてしんどいし・・・)

また、一部の品種では「抑制栽培」と呼ばれる、7月下旬~8月中旬に種まきして10月頃に収穫する栽培することができます。
ただその場合も、8/12まき→10/26収穫あたりが遅くする限界といった印象。草丈も150㎝程度と低く、300g弱で小さいものが多かった(上の写真)ので、以降は、寒くなるのでやめた方がいいかなと思いました。
ただ、逆に7月下旬では、育つ期間がまだ高温乾燥で、株が大きくならないうちに穂をつけてしまい小ぶりになりがち。
限定的ですが、8月1~2週に種まき→10月いっぱいで収穫がベストな印象です。
7. かわった色のトウモロコシ栽培は、近所でつくっていない時期にやる。

以前、赤いトウモロコシ「大和ルージュ」をつくったことがあります。
このような赤いトウモロコシや、「ピュアホワイト」に代表される白いトウモロコシは、近所に普通の黄色いトウモロコシが植わっていると、違う花粉が受粉して、粒色も混ざってきれいに仕上がらず、味にも影響する可能性があります(キセニア)。
トウモロコシの花粉は、風で300mも飛ぶらしいので、とにかく少しでも他の品種と離して栽培するか、ハウスのように隔離するといった工夫が必要です。隣の列で栽培するなんていうのはご法度です!
意外と簡単だったのが、夏まき「抑制栽培」。近所の人がやっていない時期を選びます。利用している菜園内では、私しかやっていなかったので、特に隔離もせず、きれいにつくることができました。
その他、88~90日程度の晩生種を選ぶと上手くいきそうです。
トウモロコシは収穫したら早く食べるか、粒をとって冷凍しておくと便利!
トウモロコシは、甘みが落ちるのが早いので、要注意です。
収穫したら、皮つきのまま冷蔵庫に入れて、遅くとも2~3日中には食べたいところ。
1週間冷蔵庫おいたことがありますが、明らかに収穫直後や数日後に比べて、甘みが抜けて残念な状態になってしまいました・・・。
収穫したら、数日内に食べる分は冷蔵庫で保存し、あとは粒だけとって、サッサと冷凍カーネルコーンにするのがオススメです。
甘みを維持できる上、調理にも気軽に使えるのでオススメです!
▼ 粒だけとって自宅で量産!冷凍カーネルコーンづくり。
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以上、私が実際に失敗しながらトウモロコシ栽培を通じて学んだ、栽培ポイントなどをご紹介しました。ご参考になりましたら幸いです。
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