私は万願寺とうがらしを、毎年つくっていたのですが、ほったらかしで栽培すると、消毒をしないので、アブラムシが媒介するウイルス病にかかりやすく、ダメになる樹が一定数出てきていました。
そこで、ちょうど種も使い切ったので、昨年からは、タキイの甘とう美人という品種をつくりはじめました。
辛くない「甘長とうがらし」と呼ばれる野菜のひとつで、万願寺と同じように辛くなく、しかも小さいうちからボリュームある実を収穫できるのがポイント。
以下、2024年の記録です。
- 2月3日 49穴トレイに種まき
- 2月14日 少しずつ芽が出始めたので、育苗棚へ移動する。
- 2月19日 だいぶ双葉が揃ってきた
- 4月5日 順調に生育中
- 4月21日 畑に仮植えして、1週間ほど苗を大きくする。
- 5月6日 畑の用意ができたので掘り上げて植え付け
- 5月12日 不織布トンネルをはずす
- 5月18日 一番果より下の脇芽をとって支柱立て
- 6月15日 パラパラ実がなりはじめ
- 6月22日 収穫開始
- 6月29日 防草シートマルチをあけて株元に鶏糞を追肥
- タキイ種苗「甘とう美人」
2月3日 49穴トレイに種まき
49穴トレイに1穴1粒で種まきしました。
トマトは発芽温度が25~30℃と高めなので、しっかり温度をかけないと発芽しません。
ウチでは、種まき後、A4トレイに入れ、床暖房を利用して温度をかけていきます。
▼ 私の種まきの基本スタイルはこちら
こんな感じで、大きなコンテナボックスに入れ、床暖房のきいているエリアに置いておきます。
▼ 夏野菜はしっかりと温度をかけないと発芽しません!
2月14日 少しずつ芽が出始めたので、育苗棚へ移動する。
必要な温度が確保できていれば、約7日程度で芽がしっかり出てきますが、今回ちょっと失敗。苗トレイを入れたコンテナボックスが、床暖房エリアからはずれていたので、温度がしっかりかかっておらず、発芽にバラつきが出てしまいました・・・。
冬の夏野菜の育苗は、本当に温度確保が大事です!
▼ 夏野菜の温度不足するとこうなる!失敗例と経過報告。
全ての芽は出ていないのですが、待っていると双葉が出ているものが徒長してしまうので、LEDライト付きの育苗棚へ移動します。
適宜の水やりと、週1回 住友化学園芸の「ばらの液体肥料」 を与えながら、5月の連休の植え付けを目標に、苗を大きくしていきます。
▼ 部屋の中で苗をつくっています!
2月19日 だいぶ双葉が揃ってきた
育苗棚に移動してからは無加温です。といっても室内なので暖かい環境です。
真ん中の札がたっているトレイが「甘とう美人」、左は手前が「とんがりパワー」ピーマン、奥は「あのみのり2号」ナスです。
4月5日 順調に生育中
当初、発芽にバラツキがありましたが、結果、ほぼ100%苗になりました。
例年は、育苗時にひと回り大きい32穴トレイを使うのですが、49穴トレイでも苗がつくれることはわかりました。
ただ、光の当たり方にバラツキが出てしまうので、苗の揃いは悪くなりました。
4月の育苗棚の様子は、毎年こんな感じでいろんな野菜の苗が入ります。
右下二段をみるとわかりますが、上段が32穴トレイ、下段が49穴トレイです。
同じ一段でも32穴が20本分に対し、49穴なら30本分(1.5倍)入れられるので、春は今後、49穴をメインに使っていこうかなと思いました。
4月21日 畑に仮植えして、1週間ほど苗を大きくする。
4月20日を過ぎると、例年気温もあがってくるので、苗は家の中で育てるより、畑で植えた方が早く大きくなるようになってきます。
一方、畑はまだ冬の葉物野菜が残っていたりと、準備ができていなかったりするので、空いている畝を使って、苗を仮植えしてしまっています。
こんな感じで、トマトやナス、ピーマンを品種ごとにわけて植えておきます。
そのまま植えておくわけではないので、株間は15㎝程度もあいていれば十分です。
植え付けたら、多木有機液肥3号 で水やりして、苗のエンジンをかけます。
そして、まだ朝晩は寒いので、不織布でまるっとトンネルして養生。
1~2週間ほど畑で苗を大きくします。
5月6日 畑の用意ができたので掘り上げて植え付け
4月21日に植えて約2週間。苗が大きくなりました。
今日は、畝の準備ができたので、植え付けていきます。
こんな感じで大きくなった苗を移植ゴテで掘り上げます。
畝には、自作の防草シートマルチ を敷いています。株間は45㎝で2列です。
また、植え付け時にオルトラン粒剤を混和したいところですが、「とうがらし」は登録されていないようので使えません。
もっとも、苗自体が大きくなっていて、いきなり虫に食われて全滅する可能性は低いので、とりあえずそのまま植え付けます。
また、マルチに苗を植え付ける際は、接触したりマルチ穴からあがる熱風で苗が焼けるのを防ぐため、株元まわりにも穴を覆うように土をかぶせます。
あとは、いつものように多木有機液肥3号を水でうすめて、ジョーロで水やり。
その後、1週間だけ、再度不織布でトンネルをして、根付くまで養生します。
だいたい5月連休明けの週末までを目安にかぶせておくようにしています。
5月12日 不織布トンネルをはずす
苗の養生のためにかぶせていた、不織布のトンネルを撤去しました。
5月18日 一番果より下の脇芽をとって支柱立て
畑の全体の様子です。
トンネル手前の二列に「甘とう美人」が10本と、「とんがりパワー」ピーマンが2本植わっている状態です。
苗は大きくなってきて、高さ30㎝弱。一番花がつきはじめてきました。
今日は、一番花から下の葉や脇芽を全て撤去しました。
そして、渡辺泰「くきキャッチ」 というクリップで、支柱に茎を固定していきます。
100円ショップでも類似品がありましたが、1年で壊れてしまいました。
一方、くきキャッチは、今年で4年目ですが、壊れず丈夫でオススメです!
ホームセンターで手に入ります。
こんな感じで脇芽撤去、支柱立てを完了しました。
6月15日 パラパラ実がなりはじめ
実がパラパラとなりはじめ、数個お試し程度の収穫はできました。
来週末あたりから、本格的な収穫がはじまりそうですね。
6月22日 収穫開始
株元にたっぷり実がなりはじめました!いよいよ収穫開始です。
大きいものでは長さは15㎝程度!ボリュームのある実がガンガン収穫できます。
こんな感じで、小さいうちから太く仕上がるので、収穫サイズ幅が広いのも良いです。
6月29日 防草シートマルチをあけて株元に鶏糞を追肥
畑のマルチは防草シートで、50㎝幅のものを2枚あわせでひいてあります。
なので、こんな感じで真ん中をめくって、追肥ができるのがポイントです。
発酵鶏糞を追肥し、その後、移植ゴテで軽く耕しながら混ぜました。
ちなみに追肥した位置は、株元から15㎝程度離れた位置になっています。
鶏糞は、効き始めの熱?で多少根傷みして黄色くなることがあるので、小さい株の場合は注意ですが、その後は勢いがついてくるので、最近、果菜中心に追肥で使っています。
タキイ種苗「甘とう美人」
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栽培をふりかえって
「甘とう美人」は、万願寺とうがらしベースの交配種のようです。
つくりやすくボリューム感があり、多収の万願寺とうがらしといった雰囲気です。
ただ、万願寺に比べると、肉質はやわらかめで、ピーマン寄りな印象です。
とうがらしと言っても全く辛くなく、ピーマンのような苦みもなく、美味しいです。
週1回の収穫だと、大きさも15㎝サイズのボリューム感ある実が沢山できる上、小さくても太めの実が収穫できるので、収穫幅が広いのもポイントです。
万願寺よりも樹の勢いもあるし、ほったらかしで十分収穫ができます。オススメ!
虫害は、実に入るオオタバコガの幼虫が一番の敵といった感じです。
「とうがらし」は使える農薬が限られ、ウチの常備薬の場合、アファーム乳剤しかないので、よっぽど被害が目立ってきたら散布するといった感じです。基本、実を取り除けば解決するので、放置しています。
甘とう美人の栽培は今年で2年目ですが、
① 実がなりはじめたら、月1回、鶏糞を与えながら、株元を移植ゴテで耕す。
あとは週1回、多木有機液肥3号で、水やりをかねて株元に追肥散布。
② 収穫時、実に数ミリ程度のピンホールのような穴が開いていたら、オオタバコガの幼虫が入っている可能性があるので、はじく。
③ よっぽどオオタバコガの被害が気になってきたら、アファーム乳剤 を散布。
といった感じでやっています。
栽培データ
種まき:2/3 → 収穫:6/22~
株間45㎝ 10株
*元肥:畑全体に豚ぷんを30㎡あたり15kgを混和
*週1回 多木有機液肥3号 を株元に散布
*実がなりはじめたら月1回、発酵鶏糞を追肥
* 農薬は、栽培時点で登録のあるものを使用しています。
あくまで参考として、使用する際は、ご自身で今一度ご確認ください。
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